2020-03-19

いよいよ春の陽気。保育園へ向かう自転車の後ろで、コーボーが高らかに歌い上げる。鬼のパンツ、ドレミの歌、線路は続くよどこまでも……。その歌声にくすぐったく守られながら、風切るようにペダルを漕ぐ。チェーホフの短編に、男の子と女の子が滑り台をすべりながら、そのスピードが最高潮に達した瞬間、男の子が後ろから「好きです」と囁く話があったのを思い出す。その告白はいたずらで、女の子には、それが風の音なのか真実の声なのかわからないのだ。

渋谷某所で神田伯山ティービィーの仕込み&打ち合わせ。鉄は熱いうちに打て。