2020-05-15

気づけば仕事が山積みになっている。メール、SMS、LINE、Slackと業務連絡の戦線も広がってしまい、レーザービームが起きにくい状況。だらだらと一日が過ぎてしまう。アルカイックな社会での労働時間は4時間/日というから、ずいぶん退化してしまったんだなと思う。

ツイッターを見て、昨年の5月15日は「人間」の最終回が掲載された日だと知る。
最後の原稿を受け取った瞬間、自分の編集者人生はこれをもって最後だと思った。それからほどなくして、この日記を始めているはずだ。

どういうわけか編集の仕事はまだ続けているし、なんなら又吉直樹とはすでに『Perch』という新作も完成させており、あとはコロナ禍が収束して無事書店に並ぶ日を待つばかりである。
でも、「人間」以降の仕事、例えば、暴力を考えるノートや失恋ホスト、神田伯山ティービィー、Oliveなどでは、なにかが質的に転換したのも感じる。そこに『Perch』も加えていいかもしれない。

そういえば、いま売っている『別冊文藝春秋』に木村綾子が『Perch』の制作過程についてのエッセイを寄せていて、その中に、私が彼女に「耕書家」という肩書きを譲ったいきさつが書かれている。シンプルに、彼女が名乗ったほうがふさわしいと思えたのだ。