2020-05-29

金曜だ。さすがに金曜には原稿を送ってくるだろう、という敬愛すべき編集者たちの無言の信頼を感じながらワットエバーゲッチュースルーザナイト、オールライトオールライト。

職業柄、TwitterのTLで箕輪厚介の一件が燻りつづけている。セクハラ、パワハラは紛れもなく最悪で、そこに関してはきちんとした総括がなされるべき(まともな企業なら、なんらかしらのペナルティを与えた上でハラスメント講習などを受けさせるもんだと思う)なのは間違いないが、彼の主宰するオンラインサロン参加者への過剰ともいえる攻撃やプレッシャーは見るにたえないものがある。

そりゃ月額約6000円は高額だし、そのカネがいまだ箕輪本人の懐に入るのだとしたらシャクに障るってのもわかるが、会ったこともない、顔も知らない人たちを信者呼ばわりしたり、情弱だと決めつけたりするのはどうなんだろう。自分の頭で考えろって言葉を投げつけるのもけっこうだが、本当に自分の頭で考えるからこそ時間がかかる場合だってある。
たとえ主宰者の集金装置になっていたのだとしても、彼らが犯罪をおかしたわけではないのだ。とんでもねえサロンに大金払っちゃってたわ自分! ってことに気づいて、恥ずかしくなって、でもその恥ずかしさに向き合うのに時間がかかるっていうケースだってありうる。

オンラインサロンに入ったこともなければ、オンラインサロンのなんたるかもわかってはいない私だが、仮にいま、何かしたいけどそのきっかけも掴めずに悶々としている20代だったら、こういうものに入っている可能性はゼロではない。いや実際、自分の20代の言動なんて、似たようなものだった。振り返るだに恥ずかしさで大声を上げたくなるが、でも人生なんてそんなものだと、いまは思える。たまたま運がよかったのだ。

正直、私の感覚や趣味嗜好とは決定的に相容れないものはある。それでも、あのオンライン編集室やそこから派生するつながりが彼/彼女らにとって大切なものだった(ここは過去形となる)ことは肌身をもってわかる。

早晩、編集室は瓦解するだろう。ただ、退会は自分のペースで決めればいい。払ったコストも、今回の件も含むあれこれをネタにして、いつか回収できる日がくるかもしれない。