尾上菊之丞さんの稽古場で、菊之丞さんと中村壱太郎さんの対談動画収録。もともと壱太郎さんと初めて飲んだのが「逸青会」のあとだったので、なにかが一周した心持ち。あのときは茂山千之丞(当時は童司)さんが誘ってくれたのだった。
君塚太『TOKYO ROCK BEGINNINGS』がすこぶる面白い。学生運動との距離感、景山民夫の果たした役割など、知っているようで知らないことだらけ。慶應義塾大学風林火山と立教大学SCAPが交わるところに、シーンが生まれる。雑に「はっぴいえんど史観」とか括られることあるけど、ココ込みの話だよな。
PEEPが行われていたのは、柳田さんが大学1年生だった年末から、わずか1年間のことである。ご本人がPEEPは自分のバンド、ドクターズが人前で演奏するための「おさらい会」、または「同人誌」――と秀逸な見立てを披露してくれたが、PEEPの置き土産は大げさではなく日本のロック史に重要な足跡を残すようなものだった。具体的にはオーディション制度を導入したのが、まさにターニングボイントだったと思う。審査員を務める柳田さんや細野晴臣さんの前に、鈴木茂さん、林立夫さん、小原礼さんなど次々に現れる才気溢れる高校生ミュージシャン達。そのシーンにすべてが集約されている。