2021-06-13

銀座へ出て、観世能楽堂。おそらく現時点で今年いちばん足を運んでいる「劇場」になるのではないか。本日は「野村太一郎 狂言の会」。紆余曲折――冒頭、師・野村萬斎の短い言葉がすべてを物語る。ここから始まるのだ。万作の胸を借りた『船渡聟』、萬斎と主従逆転でスラップスティックな『止動方角』。萬斎親子の『昆布売』は、裕基が大名を勤めたのもあって、遠目には瓜二つだ。まさに機運を感じる旗揚げ公演。太一郎のこれからが楽しみ。