渋谷のユーロライブでダウ90000「旅館じゃないんだからさ」。舞台構造を逆手にとった見事なシチュエーション・コメディ。小ネタのセンスにも唸る。サブスク時代のレンタルビデオ店という設定に、かつてこの劇場が映画館(オーディトリウム渋谷)だった頃に見た名作群を思い出したり。「恋の渦」とか。それにしても、〈演劇×コント〉の実験を推し進めてきたテアトロコント(つまりは小西朝子だ)の試みが、美しい花を咲かせた気がする。この流れは、他にもいくつも実を結んでいる。
神保町に移動し、三省堂の前でいちやなぎと落ち合う。ギターケースを下げてるので、いかにもな御茶ノ水のバンドマン。でも、いま実際に御茶ノ水にこういう若者は少ないのかもな。しかも、当たり前だが開いてる飲み屋がほとんどない。少し彷徨って、路地を少し入ったホルモン焼き屋にイン。アルコールも提供。ほろ酔いであれこれ。いちやなぎが神保町の古本屋で買った文庫は片岡義男訳のビートルズ歌詞集。こんど又吉くんがNHKラジオで「きっと」を掛けてくれるらしい。いい流れだ。明日、試聴室で石指拓朗とツーマンだという。そもそもいちやなぎを教えてくれたの拓朗だよ、と言うと、私と拓朗の関係を知らなかったらしく驚いてた。このあと拓朗とスタジオに入るというので再び明大通りの坂を下り、 拓朗も合流。コンビニ飲み。エアポケットのような不思議な時間。夜風が気持ちいい。