編集を担当している来年開催のある美術展の制作物についての事務メールを返し、仕事納め。
窓拭き、トイレ掃除、子供たちのおもちゃや工作物の王国と化しているリビングの片付け。コーボーが溜め込んだ細かい枝を捨てようとして一悶着。どうしても捨てたくないというコーボーが「いいこと思いついちゃった」と、枝をさらに細かく砕く。その粉状になったものを機関車トーマス形状のお菓子ケースに流し込み、「燃料だよ」。いつかタクボーが粉をぶちまける未来しか見えないが、燃料のアイデアと言われれば無下にできない。コーボーが粉を燃料に使おうとするのは、夏に集めたセミの抜け殻を砕いたものを幼稚園で焚き火の燃料に使ったからで、今年の夏は我が家だけで1500匹以上のセミの抜け殻を集めた。千単位のセミの抜け殻を扱うのは始めてだったし、そもそも東京でそんなに拾えるとは思っていなかったが、これでもクラスへの貢献度は少ないほうだという。そう、抜け殻集めはクラス対抗で、トップは数十万単位での勝負となる。抜け殻なんぞ玄関で一つや二つ拾っては「夏だねえ」なんてオツをきどるぐらいのものだったわけでずいぶんなインフレだが、気づけば5歳児は、一、十、百、千、万、十万、百万……と位取りできるようになっていて、「無限大数に一足すと?」なんて聞いてくる。タクボーはNumberBlocksのキャラクターがすべて「two」だと思っていて、1を見ても「two」、2はもちろん「two」で、3を見ても「two」。いつ、それぞれが別の名前だと気づくだろうか。タクボーがテレビに向かって「two」と言うたびに、ヨネダ2000のモノマネをやり尽くして、最近はもっぱらキュウのマネがお気に入りのコーボーは、人差し指を立て、「違う名前でしょう」と言っている。さようなら2022。シーユーネクストイヤ-。