朝からコーボーと歯医者。まずはコーボーが先に歯のチェック。とくに問題もなく、リンゴ味のフッ素を塗ってもらう。えらい素直じゃないか。先生も「いい子だね~」。毎晩の歯磨きバトルはいったいなんだっていう。
続いて、私の番。コーボーには治療ベッド横でアンパンマンの絵本を読んでいてもらう。ベッドに横たわるとコーボーが何をしているか見えないが、おそらく絵本に集中しているのだろう、静かなものだ……と思ったら、少しして、私の足の甲を手で揉んでくる。「先生……」と心の中で念じるが、先生は私の口内をなにかゴリゴリすることに集中しており、コーボーの動きに気づいていない。さらにコーボー、私の足の指を噛み出した。片方の足で牽制するが、何度も噛みついてくる。
ぜったい笑わそうとしてるだろ、お前!
治療の中断も厭わず私が身体を起こそうとした瞬間、妻が歯医者に到着したようで、「ママがきたよ~」と受付スタッフがコーボーを抱きかかえていく。
治療を終えると、妻もコーボーもすでに帰宅したあとだった。なにが起きたかを誰にも説明できないまま会計を終え、歯医者を出た。ここに書いておく。足の指を噛まれたんです、息子に。
夜、あうるすぽっとで木ノ下歌舞伎「糸井版 摂州合邦辻」観劇。
演目自体は馴染んでいるが、歴史や運命を巡る神話的、宇宙的な広がりが新鮮。いつにも増して、俳優が素晴らしい。この手触りを経由したいま、改めて文楽などで「摂州合邦辻」が観たいと思った。