吉祥寺オデオンで濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』鑑賞。素晴らしかった。自動車映画としての愉楽もさることながら、前作に続き北上しての場面と舞台上の幕切れなど、最高の「ワーニャ伯父さん」体験。かつてチェーホフ同作に取り憑かれた者としてシビれた。〈声〉の扱い方はベケット的でもある。生きていかなきゃね。
妻とコーボー、タクボーが、連休に備え妻の実家に遊びに行ったため、夜ひとり。吉祥寺で一杯やりたいところだが、時節柄おとなしく退却。カサンドラ・ジェンキンスの「Hard Drive」を聴きながら帰る。ハード・ドライブ・マイ・カー。本棚から『ワーニャ伯父さん』を引っ張りだす。やっぱりワーニャ伯父さんが人生をかけた銃弾を2発外すところ、たまらんよな。映画のなかでも、岡田将生の最高のシーンで使われていた。