2019-07-17

朝イチで井上デザイン打ち合わせ。九段下オフィスに顔を出し、初台へ。都営新宿線を行ったりきたり。幡ヶ谷生まれの自分にとっては馴染み深い路線でもある。新国立劇場で野木萌葱作/小川絵梨子演出『骨と十字架』観劇。小川芸術監督の1stシーズンフィナーレを飾るにふさわしい、堂々たる構えの新作。後ろから見ても華のある女性が客席にいるなと思ったら、シアタートーク司会の中井美穂さんだった。新国立は「シアタートーク」という言い方をするのね。ずいぶん慣れてしまったが、「アフタートーク」だと文法的におかしいのはあきらかで、かといって「ポストパフォーマンストーク」というのもまどろっこしい(たまに「ポストトーク」と略す人がいるが、それだとよけいなにがなんだか)。その点、「シアタートーク」はすっきりしている。ただ、パフォーマンスに紐づいたトークだというニュアンスが薄れて、単体のトークのような感じもしてしまう。難しいところだ。ちなみに自分のトーク出演を告知するときなどは、長らく「上演後トーク」という言い方(つまり「ポストパフォーマンストーク」の和洋折衷)をしていたが、最近はすっかり妥協して「アフタートーク」を使っている。

Twitterで宇野維正さんが「サブスク」という略し方に日本のメディアの問題点が現れているという内容のことをつぶやいてた。じゃあなんて言えばいいんだろう、とアジカンのゴッチが宇野さんに質問。「ストリーミング」だと。所有/非所有という二元論を超えたファイルへのアクセスという観点からするとそれでいい気もするが(ただその場合、よりニュアンスに近い言葉は「オンデマンド」だ)、メディアが「サブスク」と言うときは、配信の形態よりも、「定額制」という部分に重きが置かれている気がする。だとすれば「定額ストリーミング」と言ったほうがより正確じゃないだろうか。

近松半二が主人公ということで気になっていた大島真寿美『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』が直木賞に。いもせやまおんなていきん。ええ、読めますとも。読まねば。