2021-04-06

保育園に少し早めにコーボーを迎えに行く。自転車に乗せると、「どこ行くの?」。「歌舞伎だよ」と答えると、目をまん丸くさせて見得の真似事をする。「血のない役者は苦労するぞ」と思わず中村仲蔵のようなことを言いそうになるが、もちろん言わない。
地下鉄で「のりものずかん」。平仮名が少しだけ読めるようになってきたので、いろいろ聞いてくる。「ぱ」を指して、「これなんて読むの?」
「『は』に丸がつくと、『ぱ』って言うんだよ」
「じゃあ、これは?」と句点の「。」を指すので、一瞬答えに窮してしまった。

東銀座駅の木挽町広場で妻と合流。歌舞伎座横のマザーズにコーボーを預ける。少しぐずるが、記憶こそないだろうが赤ん坊の頃も何度か利用しており、そこまでのぐずりではない。松竹歌舞伎の託児環境がいかに優しいかは、以前この日記に転載した原稿のとおり。

歌舞伎座「四月大歌舞伎」第三部、コロナ禍で一際輝くニザ玉こと片岡仁左衛門と坂東玉三郎による36年ぶりの『桜姫東文章』。眼福至極、大南北。いまさらだが、70オーバーとは思えぬ仁左衛門の肉体と玉三郎の艶やかさに驚く。先月「隅田川」からの流れで、鴈治郎も適役。
な、なんと嬉しいことに、まだ後半(六月)が残されている。

会場で湯山玲子さん、山田英幸さんらとバッタリ。興奮冷めやらず、少し感想戦をしていこうとなり、妻にごめんなさいをして新橋で一杯。楽しい夜。